仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。
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vol.26 (2014/12/28)
変形性膝関節症について
 鍼灸治療院で多くみられる症状のひとつに、「膝痛」が挙げられます。膝痛はスポーツ選手や高齢者に多くみられますが、発症する原因はそれぞれ異なります。スポーツ選手の場合、オーバーユース(使い過ぎ)やアクシデントによって起こる靭帯損傷・半月板損傷や膝蓋腱炎などがみられますが、高齢者の場合は加齢に伴って起こる変形性膝関節症が多くみられます。また若い方でも、スポーツや仕事で膝を酷使した経験のある方は変形性の症状がみられることがあります。“関節がどのように変形してしまうのか”“どうして痛みを感じてしまうのか”を今回は膝の構造や働きも含めて紹介します。


膝関節の構造

 関節は、身体をあらゆる方向へ動かすために、また身体の重みを支えるために存在します。人の身体には350個の関節があり、その6割は細やかな動きが必要とされる手足に集中しています。関節にはそれぞれ大きさや種類がありますが、その中でも膝関節は比較的大きく、また動作や体重の負荷を直接受けるため、病気やけがが発生しやすい関節です。

膝関節は太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)、膝のお皿(膝蓋骨)の3つの骨で構成されています。関節は通常、球状の骨とそれを受け止めるおちょこのような形をした二つの骨で構成されることが多いのですが、膝関節は球状の骨(大腿骨)を平面の骨(脛骨)で受け止めるため、元々負担がかかりやすい構造となっています。
膝はその構造に加え、体重の負荷を直接受けます。体重のかかり具合は身体の状態によって変わり、歩行時は体重の2倍、階段の昇り降りでは6倍もの荷重がかかります。例えば体重80キロの方が階段を昇り降りすると、およそ480キロぶんの重みが膝にかかることになります。
上記のように、膝は他の関節に比べて負担のかかりやすい関節です。その負担を軽減するため、膝関節には骨以外にも様々な構造物があります。

「関節軟骨」
水分やコラーゲンなどで出来ているスポンジ状の組織で、関節内の骨がぶつかり合うことを防ぐために、骨と骨の間に挟まりクッションの役割を果たします。表面が滑らかになっているため、関節をスムーズに動かすことが出来ます。

「半月板」
関節の内側と外側にひとつずつある軟骨で、骨の形に合うように半月型(むしろ三日月に近い形)になっています。膝関節にかかる負担を分散させるクッションの働きと、関節の位置を安定させる役割を果たします。

「靭帯」
骨と骨をつなぐバンドで、筋肉のように伸び縮みすることはなく、関節の動きを制限し安定させる役割があります。膝には前十字靭帯・後十字靭帯・内側側副靭帯・外側側副靭帯の4つの靭帯があり、あらゆる方向から関節の安定を図っています。

「滑膜」
関節を包み込むひだ状の膜で、ヒアルロン酸を主成分とする関節液を分泌して関節の動きを滑らかにします。


変形性膝関節症とは
 膝のけがや病気は様々ありますが、中でも多くみられるのが「変形性膝関節症」です。高齢者に多くみられ、4:1の割合で女性に多く発症すると言われています。
 主な原因は「加齢・肥満・過度のスポーツ」によって膝関節に負担がかかり、関節軟骨がすり減ることです。
軟骨組織には知覚神経(痛みを感じる神経)が存在しません。そのため関節軟骨がクッションとして機能している間は、膝を動かしても痛みを感じることはありません。しかし軟骨が擦り減って関節内の骨がぶつかり合うようになると、骨にある知覚神経の働きで痛みを感じてしまいます。
 また軟骨には、栄養素や酸素を運ぶ血管も通っていません。骨には血管が通っているため骨折しても自然と修復されますが、軟骨は一度擦り減ると自然と修復することはありません。そのため変形性膝関節症は、進行性の経過をたどることが多いのです。
女性に多く発症する原因としては、女性ホルモン(エストロゲン)の減少が関係するとされています。エストロゲンは骨をつくる働きを持ちますが、閉経後はその分泌量が減ってしまいます。そのため骨自体が脆くなり、膝関節の変形へとつながります。


変形性膝関節症の代表的な症状
・痛み
 初期は歩き始めや椅子から立ち上がる際の動作開始時の痛みが出ることが多いです。進行すると、歩行や階段の昇り降りといった運動時の痛みに変わっていきます。痛みが強い場合、歩行が難しくなることもあります。また体重の負荷がかかりやすい膝の内側に痛みが出やすいのが特徴です。

・変形(O脚・X脚)
 関節の変形が進むことで、膝の見た目も変わってきます。膝はもともと内側に負担のかかりやすい構造であるため、内側の変形(内側の潰れ)が強まってO脚になる方が多いです。

・膝が腫れる(関節水腫)
 関節に炎症が起こり、過剰に分泌された関節液が関節内に溜まった状態です。痛みや動かしづらさの原因となります。

・伸びない・曲がらない(可動域制限)
 膝関節の変形や関節水腫などが原因となり、動きに制限がかかった状態です。仰向けに寝た時に膝が伸びきらなかったり、正座することが難しくなります。

・歩くときにぐらぐらする(不安定性)
 痛みや変形のため、左右の足のバランスが乱れてくると、歩行中ふらついたり傾いたりします。振り子のように、外側にふらつく歩き方が多くみられます。
 
※症状の出方には個人差があり、初期のものであれば自覚症状がない場合もあります。実際に関節の状態を知るためには、病院などでX線写真やMRIなどの画像診断を受ける必要があります。


痛みの悪循環

身体は痛みを感じると、防御反応が働いてまわりの筋肉を硬くしてしまいます。膝関節痛の場合、膝を中心として太ももやふくらはぎの筋肉が硬くなってしまいます。筋肉が硬くなるとその部分の血行が悪くなり、痛みが引きにくくなるばかりか、疼痛物質(痛みの原因となる物質)が蓄積され、より痛みを感じやすくなってしまいます。
急性期(痛みの出始め)や痛みが強い時は安静を保つことが望まれますが、痛みが慢性化した場合は、凝り固まった筋肉を治療によって柔らかくする必要があります。


変形性膝関節症に対して行う治療

痛みや腫れがひどい場合、患部に強い炎症があると考えられます。そのため一度整形外科などの医療機関を受診して膝の状態を確認することが大切です。痛みが慢性化し、症状がなかなか改善されない場合、鍼灸マッサージ治療も大変有効な手段です。
 鍼灸マッサージ治療で大切になるのは、「膝関節やその周囲の炎症を鎮める・筋緊張を緩和し、血行を促進すること」です。膝のまわりにはたくさんのツボが存在するため、疼痛緩和・血行改善の目的で治療を行っていきます。
膝まわりのツボは比較的押しやすい位置にあるため、セルフケアとしてご自身でマッサージするのも効果的です。 【変形性膝関節症に有効なツボ】

また治療と同時に、膝周囲の筋力を強化することも大切です。膝の運動に関わる筋肉はいくつかありますが、膝の曲げ伸ばしや安定性に関わる「大腿四頭筋」の強化が重要となります。痛みが慢性化すると足を動かす機会が減ってしまい、筋力低下に繋がります。足の筋力が低下すると、身体を支えることが難しくなり、歩行や立ち上がり等の日常生活に支障をきたしてしまいます。日常生活動作を維持するために、筋力低下を予防する運動は重要となります。


家庭でできる膝痛予防・改善運動

・太ももを鍛える(1)
イスに座った状態で、太ももの前面(大腿四頭筋)を意識しながらゆっくりと膝を伸ばします。痛みが出ないようであれば、膝を伸ばしきった状態で5秒ほどキープします。(片足ずつ、4?5回)


・太ももを鍛える(2)
仰向けに寝た状態で、鍛えようとする反対の膝を立てます。鍛える側の足を伸ばしたまま20度?30度(握りこぶし1つ分程)挙げ、10秒キープします。この運動は太ももだけでなく、姿勢を保つために重要な腹筋も鍛えることも出来ます(片足ずつ、2?3回程度)


・筋肉をほぐし、血行を促進する
関節への負担を軽減するために、膝まわりを温めて筋肉を柔らかくし、血行を促進させることが大切です。お風呂に入りながら太ももやふくらはぎをマッサージするのも有効ですし、膝に蒸しタオルを当てるのもいいでしょう。

※自分で行うリハビリ運動は、症状の予防・改善に有効ですが、やり方・回数によって身体に負担をかけてしまうこともあるため、行う前に専門家に相談することが大切です。


関節は複雑な構造物であるため、身体の中でも特に加齢性の変性をきたしやすい組織です。中でも膝関節はその構造上、身体の中でも特に負担のかかる関節です。一度痛みが出てしまうと、「動かさない⇒痛みが増す」という痛みの悪循環に陥る場合もあります。体重の増加や筋力の低下を防ぐため、痛みのないうちから食生活や運動習慣を見直し、関節の変形が起こりにくい健康的な身体を目指しましょう。
平成26年12月28日
仁鍼灸治療院 鍼灸師 塩原 祐太
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