仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。
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J's diary(院長日記)
スタッフからコラム(不定期)
Field of dreams〜院長日記番外編〜
〜院長日記番外編〜
石岡院長の日記です。不定期にUPしてまいります。
vol.21(2008/3/16)
平成20年2月24日(日)「第一回 区民のための東洋医学講座」(於:江戸川区総合文化センター)第二部の演題は「小児はりへの10の質問」です。講師は滝上 晴祥先生(日本鍼灸師会鍼灸臨床研究会講師指導員)でした。
 滝上先生は日本における“小児はり”の第一人者であり、毎日多くの子供達を相手に治療をしている開業鍼灸師でもあります。

 ところで皆様は「小児はり」または「小児鍼【しょうにしん】」という言葉を聞いたことがありますか?“小児はり”の始まりについては詳しく解っていませんが、文献などでは江戸期の書物に記載があります。現在、日本においては東よりも西の地区でより盛んであり、生活に密着したものとなっているようです。

 “小児はり”は子供特有の疾患や症状に対して行う鍼灸治療の一つで、その適応期は生後4〜5ヶ月から小学校高学年くらいまでです。
 これを聞いて「赤ちゃんや小さな子供にハリを打つの?」とビックリされる方もいるのではないでしょうか。
 「小児はり」用の“はり”は通常大人に使用する鍼とは異なります。?鍼【ていしん】や円鍼【えんしん】と呼ばれる先端が丸い形状の鍼を使用し、その刺激は刺すのではなく身体の体表面(皮膚)を経絡【けいらく】に沿って「撫でる」「擦る」といったもので、心地よい感触を得ることができます。

 それでは「小児はり」の特徴を少し具体的に挙げてみます。(参考:当日の講義資料より)
○小児はりはどのような症状に効くのか?
・かんの虫(小児神経症)・夜泣き・夜尿症・アトピー性皮膚炎・小児喘息・虚弱体質など

○小児に対する“はり”の効果とは?
・ 発育速度の著しい乳幼児→成長に大切な自律神経系の不安定状態が起こりやすい→小児の発育過程に基づくアンバランスの調整(最も適した皮膚刺激)
・ 体質改善、正常発育の補助など。

○ 小児はりに副作用はあるのか?
・ 薬は使わないので当然、薬物副作用はない。
・ 大人に比べて体力が低いため刺激による易疲労を起こしやすい。(刺激量に注意)
・ 疾患に対する悪影響の報告はない。

○ 小児はりの治療時間は5分程度である。
・ 小児は刺激に対する感受性が強いため。
・ 小児の皮膚は過敏で皮膚血管は拡張しやすい。
・ 治療効果は反射的とみられるほど即効性がある。

 以上が小児はりの大まかな概要です。このように書くと少し難しく感じられるかも知れませんが、実は特別な知識がなくても行うことが出来ます。手技そのものも至ってシンプルですし、コツさえ覚えればどなたにでも行えます。使う道具も先ほど挙げたような専用の鍼である必要はありません。講義ではどのご家庭にもある普通のティースプーンを使いました。

 今回の講習会は冒頭にもお書きした通り、区民の皆さんに“東洋医学をより深く理解してもらいたい”というのが大きな趣旨でした。
 この小児はりの講座には一般の方も大勢参加されましたが、実はただ聞いてもらうだけでなく、“実際に小児はりを覚えてもらいたい”という大きな目標がありました。
 「家庭でも簡単に行える治療法」として、またお子さんとのコミュニケーションの手段としても活用して欲しい…。それが滝上先生の考えでもありました。

 先ほど「小児はりは特別な知識がなくても出来る」と言いました。別の言い方をすると“特別な知識”よりも“安心できる雰囲気作り”の方が大事ということです。
 大人と違って子供は言葉でなかなか理解してくれないところがあります。信用してもらうためには、大人以上にお互いの信頼関係を築く必要があります。
 それはそうです。子供だっていきなり裸にされてベッドに寝かされ、スプーンで身体を擦られたら最初はビックリするどころか恐怖心さえ芽生えかねません。“小児はり”に何より大切なことは、愛情を持って接し、安心感を与え、子供がリラックスできる環境を作ることなのです。
 そう考えると、適任は我々よりもむしろ実のご両親(またはご祖父母)なのかも知れませんね。そうです!何しろ一番固い信頼で結ばれているのですから、我々治療家が束になってかかっても、逆立ちしたってお母さんやお父さんにはかなうはずがないのです。

 近頃は良きに付け悪しきに付け、とかく親子の話題がクローズ・アップされることが多い気がします。ニュースなどではにわかに信じられないような親子の悲しい事件を耳にすることもあります。最も深いはずの親子関係がなぜか不安定となり、バランスを保つことが難しくなっている…、今はそんな時代なのかも知れませんね。
 子供自身も一生懸命頑張っている、親も子供のことを真剣に考えてはいるけれど、忙しい毎日の中でいつの間にか関係が希薄になってしまうこともあるのでしょうか。

 「親が子供に対して最大限の関心を持つ」「子供が発するサインを見逃さない」etc…。
 こんな当たり前のことが親子の関係には一番大切なのでは?と思います。いつも近くで接し、大きな愛情で見つめている親だからこそ分かる変化があります。自分の子供の変化は親が一番わかるはずなのです。
 “小児はり”は、まさにこのような普段と異なる変化や変調を見極めることが、治療に直結する一番大事な要素です。

 当院にもこの分野に興味を持って勉強をしているスタッフがいます。スタッフコラムにも講習会に参加した時の様子を書いていますので、是非ご一読ください。
http://jin-shinkyu.com/column/column_2_vol_8.htm
http://jin-shinkyu.com/column/column_2_vol_9.htm

 当院のある江戸川区葛西は、小さなお子さんのいるご家庭が数多く住んでいる土地です。
 寒かった冬もようやく終わりに近づいているようで、季節も徐々に春めいて来ました。葛西は都内の割に緑や公園の多い場所で、昼間の温かい時間はベビーカーや自転車のベビーシートにお子さんを乗せたお母さん達をよく見かけます。
 当院では今後、休診日に院内スペースを活用して様々なセミナーを行っていきたい考えがあります。まずは地域のお母さんやお父さん向けに“小児はりセミナー”なるものを計画中なので、なるべく早く実現させたいと思っています。

 このような企画を通して、まずはご両親がお子さんの身体により関心を持ってもらいたいという事。そしてお子さんの身体を「診る」というホームドクター的な役割を担って欲しいのです。
 さらには“小児はり”が親子の良いコミュニケーションの手段として、一つの“きっかけ”となれば嬉しい限りです。

平成20年3月16日
仁鍼灸治療院 院長 石岡俊祐
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