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肝は、筋肉と密接に関わっており、働きの状態は筋肉へ反映されます。肝の働きが正常であれば、筋肉の柔軟性で関節の動きも滑らかなので、運動をする上では身体を動かしやすい状態といえるでしょう。
しかし、働きが弱まると、以下のような症状が現れます。
・筋肉がこわばる ・ひきつれが起きやすくなる ・手や足がしびれる
これは、働きの一つである“血液量を調節する働き”が低下して、血流が悪くなり、身体の各部位への栄養供給が不足しているためだと考えられます。このような状態では、運動効率が悪くなるうえ、血行不良による新陳代謝や筋肉の柔軟性の低下からケガにつながる可能性が高まります。
また、肝はストレスの影響を受けやすい臓腑です。ストレスの蓄積で働きが弱まると、肩コリや頭痛などの症状を出やすくさせます。
しかし、こうしたからだのコリは痛みがなければ気付かないという方が多くみられます。
たかがコリ、されどこのコリが運動時のケガに繋がる可能性もあるので、日頃からストレッチやマッサージ等で柔らかくしてほぐしておくといいでしょう。 |
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心(しん)は血液を全身に巡らせて身体を滋養する働きがあります。働きが正常であれば、全身に血液が行き渡るため、血の巡りが滑らかで、脈拍も規律正しく行われますが、働きが弱まり血の巡りも悪くなると、息切れや動悸などの症状が現れ、次のような特徴的な症状も伴って現れてきます。
・運動をしていても元気がない
・すぐに横になりたくなる
・汗をかきやすく、状態が悪くなると汗が引いた後に手足が冷えて寒がる
心の弱まりは、栄養不足や過労などから引き起こされます。心を充実させるために、まずは休息をとり、消化に良いものを食べて疲れた身体に栄養を補給してあげましょう。 |
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脾(ひ)は、消化・吸収に関わる臓腑で、飲食物からの栄養を全身に巡らせる働きがあります。働きが正常であれば、食事もおいしく食べられますが、逆に弱まると食欲のコントロールが上手くできずに過食や食欲不振といった症状が現れ、太り方や特徴も次のように分かれます。
【過食タイプ】
消費カロリーより摂取カロリーが上回っているのが大きな原因。
《特徴》甘いものや脂っこいものを好む・早食い・暑がり・便秘がち・赤ら顔が多い etc…
【食欲不振タイプ】
新陳代謝の低下などが大きな要因と考えられる。
《特徴》消化不良がある・無気力感ですぐ横になりたがる・
動くと汗をかきやすい・冷え性で寒がり・便はゆるみがち・顔は色白 etc…
どちらのタイプでも共通していえることは、やはり食生活の見直しです。過食タイプの人は食事内容の見直しと適度な運動が必要ですし、食欲不振タイプの人は消化の良いものを摂取することと筋トレを行うのがおススメです。筋力をつけると新陳代謝も上がるため、冷え症状を改善するにも効果的です。 |
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肺は、大腸(老廃物を便として排泄する働き)と深く関係していて、互いの働きをサポートしています。肺の働きが正常であれば、大腸の働きも正常に行われるため、便通が良く排便がスムーズに行われます。
しかし、働きが弱まって身体に気や津液が送り出されずにいると、大腸の水分が失われて排泄機能が低下するため便秘となり、次のような特徴的な症状が現れてきます。
・便意はあるが便が出にくい ・排便時に汗が出る
・排便後は息切れがして、身体の重だるい
また、このタイプの便秘は薬を飲んでも改善されにくい傾向があります。このようなときは、薬に頼り過ぎずに、まずは身体そのものの排出力を高めてあげることが大切です。腹部や背部の筋力をつけるとお腹をいきむ力も高まるので、便秘改善の第一歩として、筋トレで腹筋・
背筋をつけてあげることも良いでしょう。 |
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腎は、発育・成長に関わるほか、体内の水分代謝の調整をする働きがあります。働きが正常であれば、必要な水分は体内に貯留され、不要な分は尿として体外へと排泄されるため体内の水分バランスが正常に保たれます。
しかし、働きが弱まると、水分バランスが崩れるため、以下のような症状が現れます。
・手足や顔がむくむ ・トイレが近くなる(頻尿) ・排尿痛がある
腎の働きを弱めてしまう大きな要因のひとつに冷えがあります。寒いときにトイレが近くなったり、足先の冷えとむくみが伴って現れてくるのは、冷えにより腎の働きが弱まり水分代謝のバランスが崩れて現れてきたものです。
最近では、エアコンの影響で夏でも冷えがあるという方が多くみられます。冷えは、腎の弱まりに直結してしまうので、身体を冷やさぬよう下着や靴下などの小物でカバーしてあげると良いでしょう。とくに、腎と関わりのある腰や下腹部、足の内側などを温めてあげるのがオススメです。 |
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