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仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。 |
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HOME >> スタッフコラム >> vol.28 (2015/1/22) |
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院長日記。不定期に
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〜院長日記番外編〜 |
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スタッフの日記です。不定期にUPしてまいります。 |
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vol.28 (2015/1/22) |
骨粗しょう症について |
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骨は身体の中で最も硬い組織で、身体を支えたり内臓を保護する働きがあり、骨があることで人の身体は保持されています。そんな骨にも様々な病気がありますが、中でも一般的に知られているのが骨粗しょう症です。高齢化が進んだ日本では、もはや国民病と言われるほど罹患者が多くとても身近な病気です。身体の至る所にある関節は骨で作られているため、前回取り上げた「変形性膝関節症」のような関節疾患も、この骨粗しょう症とは密接に関わりがあります。今回は骨粗しょう症について、東洋医学の見方も含めて紹介します。
骨粗しょう症とは
骨粗しょう症とは、骨の中がスカスカになり、骨が脆くなる病気です。主にカルシウムの不足やホルモンバランスの乱れが原因となり、骨を壊す働きのある※破骨細胞の働きが強まることで、骨が破壊され脆くなります。
骨量(骨の密度)のピークである成長期を過ぎると、骨量は加齢とともに少しずつ減少していきます。脆くなった骨は衝撃に弱く、転倒などの事故はもちろんのこと、階段の昇り降りや物を持ち上げた時などのちょっとした日常生活動作でも変形・骨折することがあります。
この骨粗しょう症は高齢者に多く、主に女性に頻発します。女性の場合、閉経期を迎えるとエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの分泌量が減ります。エストロゲンは破骨細胞の働きを抑え骨の破壊を防ぐ役割があるため、このホルモンの分泌量が減ると骨破壊が一方的に進んでしまいます。そのため骨粗しょう症は女性に多く、男性に比べて約3倍の罹患者がいるとされています。
※破骨細胞(はこつさいぼう)
骨を壊す細胞のこと。古くなった骨(カルシウムやコラーゲン)を、酸や酵素で溶かします。溶けたカルシウムは血管を通じて運ばれ、主に脳や心臓の働きのために使われます。
骨粗しょう症の症状
骨粗しょう症は自覚症状の乏しい病気です。進行すると姿勢や見た目に変化が現れますが、その変化はゆっくりと起こるため気づいた時にはかなり進行している場合があります。
【代表的な症状】
・身長が縮む、背中や腰が曲がる
よくみられる症状として、骨格の変化が挙げられます。骨が脆くなると身体を支えることが難しくなり、体重の負荷によって椎体(背骨)の変形・骨折を引き起こす場合があります。脆くなった椎体は上下に押しつぶされるように骨折するため、背骨が曲がったり身長が縮んだりします。椎体骨折は、レントゲンなどの画像診断で発見されます。
・背中や腰に痛みを感じる
椎体が変形・骨折すると、その部位を起点に痛みを感じることがあります。動いた拍子に背中に急激な痛みが出たり、長期的に変わらない痛みがある場合は、背骨に異常がある可能性があります。
・背中を下にして眠りにくい
脆くなった骨は、外部からの衝撃や圧力に弱くなります。仰向けの姿勢は背骨に圧力がかかるため、骨粗しょう症の方は仰向けで寝ることが難しくなります。そのため背骨に負担のかかりにくい横向きの姿勢をとると、比較的楽に寝ることが出来ます。
・骨折しやすい
骨粗しょう症は全身の骨が脆くなるため、椎骨(背骨)だけでなく手足の骨折も起こりやすくなります。特に大腿骨骨折は転倒をきっかけとして起こりやすく、高齢者の場合「寝たきり」の原因になるため注意が必要です。
東洋医学の見方
東洋医学では身体を作るために必要なエネルギーを「精(せい)」と呼びます。この精は親から受け継いだ「先天の精」と、生まれた後に食事から得られる「後天の精」の二種類があり、これらが体内に十分にあることで、骨をはじめとした身体の組織が作られます。しかし何らかのきっかけで精が不足してしまった場合、身体を作る働きが弱まりその一環として骨も脆くなってしまいます。そのため鍼灸マッサージ治療では、精を補う・精を作り出す機能を高めることを目的に治療を行います。
【精が蓄えられる腎(じん)を補う】
腎とは身体を作るエネルギーである精が蓄えられる臓腑です。特に親から譲り受けた「先天の精」との関わりが強く、成長や発育・老化といった生体現象は腎の働きによって起こります。先天の精は成長に使うエネルギーであるため、加齢とともに少しずつ減少していきます。そして精が不足してしまうと身体の組織が弱くなり、骨の場合は骨量が減少し骨粗しょう症へと繋がります。その他には「髪のつやがなくなる・歯が抜ける・耳の聞こえが悪くなるなど」といった症状がみられます。
先天の精の減少を完全に食い止めることは出来ませんが、腎の機能を高めることで精の不足を補うことが出来ます。
【後天の精を作り出す脾(ひ)を補う】
脾とは食事(消化や吸収)に密接に関わり、身体をつくるエネルギーである「後天の精」を作り出す臓腑です。食事によって体内に入った飲食物は、脾の働きで後天の精へと形を変えます。前述にある先天の精は加齢とともに減少の一途をたどりますが、後天の精は食事によって作られるため、自身で補給することが出来ます。しかし脾の機能が低下すると後天の精を上手く作れなくなり、その結果骨粗しょう症へと繋がる場合があります。その他にも「味覚が変わる・下痢をしやすい・出血しやすい」などの症状がみられます。
脾の機能を高めることで、食事によって後天の精を作り出し、身体を丈夫にすることが出来ます。
予防方法
骨粗しょう症は基本的に老化現象のひとつであるため、どなたでも起こる可能性があります。日頃の生活習慣が症状の出方に直結すると言っても過言ではないため、特に食事や運動習慣を見直して予防することが出来ます。また東洋医学の視点からツボを刺激することで、身体の機能を高めて予防することも出来ます。
【食事】
特に骨の源であるカルシウムの補給が大切になります。また骨の生成(カルシウムを骨に変える)にはビタミンDが必要となるため、これらの栄養素を多く含んだ食材を意識して食事に取り入れると良いでしょう。特にビタミンDが摂れる食材は限られるため、意識して食べることをお勧めします。
・カルシウムを多く含む食材: 乳製品・大豆・魚・小松菜 など
・ビタミンDを多く含む食材: きのこ類(きくらげ・しいたけ)
魚類(さけ・さんま・あんきも・しらす)など
【運動】
骨は重みがかかることで、その負担に対応するために強く丈夫になります。急激な負担は骨折などのケガにつながるため、日頃から適度な運動を行うことが大切です。具体的には「ウォーキング・ランニング・エアロビクス・太極拳など」の、自分の体重(適度な重み)がかかる運動がお勧めです。運動習慣がない方は、まずはウォーキングやランニングなどの続けやすい運動から始めると良いでしょう。
【ツボ】
東洋医学の見方から、骨と関わりの深いツボを刺激するセルフケアも有効です。入浴時や寝る前などのリラックスタイムに、気持ち良いと感じる程度にゆっくりと優しく押してみて下さい。
・腎の機能を高める・先天の精を補うツボ 【湧泉・太谿】
・脾の機能を高める・後天の精を補うツボ 【三陰交・足三里】
※上記のツボはすべて足にあるツボで、自分でも押しやすい位置にあります。
ツボの位置はホームページに公開してありますので、クリックして確認してみて下さい。
人の身体は日々作り変えられるため、食事や運動を始めとした生活習慣はあらゆる病に直結します。今回ご紹介した骨粗しょう症の場合、骨の強さを維持するためには特に食事(カルシウムの摂取)が重要になります。現在の日本人は食事の欧米化が進み、以前に比べて魚などのカルシウムを多く含む食材を食べる機会が大幅に減ってしまったことで、慢性的なカルシウム不足に陥っているとも言われています。普段の食事でカルシウムが不足していると感じる方は、将来の健康のためにも意識的に摂取することをお勧めします。
また、東洋医学の考え方を利用することで、骨粗しょう症に対する治療や予防に幅広く対応することが出来ます。鍼灸マッサージ治療やツボ押しセルフケアを行い、身体をつくるエネルギーである精を補ってみましょう。
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平成27年1月22日 |
仁鍼灸治療院 鍼灸師 塩原 祐太 |
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