私たちの日常生活の中には、様々な身体の動きがあります。歩くことや走ることなどの動作や姿勢を維持することはすべて
筋肉の収縮
により行われています。
筋肉とは、伸び縮みするゴムのような弾力性や柔軟性があります。
スポーツやトレーニングなどである程度負荷をかけると筋力は発達し強くなります。しかし、負荷のかけ過ぎは筋肉を硬くし、本来あるはずの弾力性や柔軟性が失われてしまいます。
柔軟性を失った筋肉は、関節の動く範囲を狭め、身体の動きを制限し、無理な動きをすると筋肉や関節に大きな負担をかけます。また、血液循環も悪くなり疲労物質が筋肉内に蓄積し、必要とされる酸素や栄養物質が行き届かなくなってしまいます。結果、肩こりや腰痛などの慢性疾患やギックリ腰などの急性疾患、またスポーツの場面では、肉離れなどのケガにつながります。
年齢とともにも骨や筋肉、軟骨などは変化(退行変性)していきます。また、運動不足など身体を動かす機会が減ると、筋肉がやせ細り、身体を支える力が弱くなります。そのため、骨にかかる負担が増して、関節の痛みが増したり、身体が疲れやすいなどの症状が出やすくなります。
ここでは、このような症状の予防のためにご自分でできるストレッチとエクササイズをご紹介します。
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ストレッチとは
、筋肉や腱を
引っ張って伸ばす
ことをいい、それにより筋肉が硬く凝り固まった状態から
本来ある弾力性や柔軟性を取り戻す
目的で行います。
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ストレッチを行うことにより、以下のような効果があります。
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1)
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筋肉の緊張緩和
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2)
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関節可動域(関節の動く範囲)の拡大
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3)
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血液循環促進による、筋疲労の回復
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ストレッチをし、筋肉や関節に柔軟性を与えることにより、血液の循環を促進させ、疲労物質を体外に運び去り、酸素や栄養物質を筋組織に送り込みます。それにより、早期に疲労を回復させることにつながります。
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ストレッチの動作は、急激にではなくジワーっとゆっくり行うことが基本です。
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1)
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反動をつけずにゆっくりと伸ばす
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2)
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伸ばしたら痛みを感じない範囲でしばらく止める(15〜20秒くらい)
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3)
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呼吸を止めずに行う(筋肉を伸ばしながら息をゆっくり吐く)
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4)
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伸ばす筋肉を意識する
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ストレッチの種類には、大きく分けて静的に行うもの(身体の反動を使わないもの)と動的に行うもの(身体の反動をつかうもの)があります。ここでは最も安全、簡易的、かつ効果的なスタティック・ストレッチと呼ばれる静的なストレッチを紹介しています。
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筋肉は、ある程度負荷をかけてあげることで筋力が増し、身体を支える力が強くなります。それにより、以下のような効果があげられます。
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1)
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エクササイズを行っている筋肉を意識して行う
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2)
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チューブやダンベルを使う時の動作は、戻す時も反動で戻さず、ゆっくりと行う
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≪※短縮性収縮=コンセントリック≫≪※伸張性収縮=エキセントリック≫
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3)
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ダンベル等がない場合は、水を入れたペットボトルや砂糖の袋なども代用品として活用することができます
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4)
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フリーウエイト(ダンベル等)などの重量のあるものは、力を抜いた勢いで一気に下ろさない(筋肉や関節、靭帯などを痛める可能性があります)
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5)
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トレーニング中に痛みなどを感じたら、その種目は一旦中止すること(自己判断せずに専門家のアドバイスを受けてください)
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1)
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競技におけるパフォーマンスの向上
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2)
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基礎代謝を促進し、心肺機能を向上させる
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3)
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ケガの予防
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スポーツの場面では、高い身体能力が要求されます。また、自分が予測できない動きをとらなければならない時や、急激に大きな力がかかる事があります。
このようなときに、基礎となる自分の身体がしっかりしていれば、防御力も増してそれらに対応ができ、ケガが予防できます。また、競技中においても高いパフォーマンス力を発揮することができます。
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1)
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罹患関節(痛みのある関節)周囲の補強による痛みの緩和、ケガの予防、身体の安定性向上
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2)
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基礎代謝を促進し、心肺機能を向上させる
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筋力が強くなることで、関節の固定力が増します。関節の固定力が増すと、罹患関節(痛みのある関節)にかかる負担が軽減されて補強力も増し、痛みの軽減につながります。また、体重の支持力も増し、転倒の予防にもなります。
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日常生活でもスポーツの場面においても、筋肉のコンディションを良い状態に保つために、エクササイズによる筋力の維持・向上やストレッチによる柔軟性の維持はとても大切です。スポーツのトレーニング前後や仕事の合間などに上手に取り入れてみましょう。
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ここでのストレッチやエクササイズは、自宅でも比較的容易におこなえるものを中心にご紹介しています。回数や時間はあくまでも目安です。過度の刺激や強度は逆効果になる場合もありますので、ご自分の体力や、そのときの体調などに合わせて調整してください。
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ここでご紹介しているものにより、本来、医療機関や治療院などでの治療が優先されるべき疾患が、すべて改善されるわけではありません。痛みその他、身体の変調があるときは自己判断をせず、必ず専門家に相談してください。
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