仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。
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J's diary(院長日記)
院長日記。不定期に
更新しています。
スタッフからコラム(不定期)
Field of dreams〜院長日記番外編〜
石岡院長の高校時代の野球の物語です。
番外編として新登場!!
EP-1 (2006/7/1)
 あれは私が高校受験を数ヶ月後に控えた中学3年の冬でした。この時期になると受験生達もどことなくざわついている独特の雰囲気がありますよね。しかし、その中で私は自分で云うのも何ですが、かなり落ち着いていたような記憶があります。というのも随分前から自分の中で志望校は完全に決まっていましたし、成績的にも(今は偏差値というのはないのでしょうか?)比較的問題なく余裕もあったからでしょうか。実際、担任の先生にも「そこしか行く気がないので受けるのはここだけで」なんて偉そうに言っていたりもしました。

 そんなある日、私は放課後の校庭で友達とサッカーをして遊んでいました。そこに校内アナウンスが…
「3年B組の石岡、至急生活指導室に来なさい!」

 生活指導の担当でもあった担任のドスの利いた声が響きわたりました。当時の私の担任はあのK大体育学部卒(応援団でもあったとか…)の怒らせるとそれはとても怖い先生でした。一見、その筋の人?と思わせるような武闘派です。(先生すいません…)
 「まずい、確実に俺は死んでしまう…」と直感しました。そう思い当たる理由があったからです。というのは前日の放課後、やはり友達と室内体育館でサッカーをしていた時、(もちろん体育館でサッカーをしてはいけません!)私が放ったシュートはまさに大ホームラン!いやW杯の時節柄、ロベルト・カルロスばりの強烈ミドルとでも云いましょうか…ボールは見事に2階部分の窓ガラスを粉砕しました。
“マズイ”と思った瞬間、私たちは条件反射的に一目散に逃げました。ごめんなさい…あの時、ガラスを割ったのは私です。先生方、そして用務員のおじさん、すいませんでした。もう時効ですよね?

 「昨日のやつ、絶対バレたよ」と友達はまるで人ごとです。中には笑っている奴もいます。なんて薄情なやつらだ…とかブツブツ言いながら私は重い足取りで怪獣(!?)の待つ生活指導室に向かいました。生活指導室の前に立った私はこれから始まるであろう苦痛な時間に気分はもう最悪でしたが、覚悟を決めてそのドアを開けました。

 部屋に入ると予想していたのとはかなり違う雰囲気が漂っていました。担任と野球部顧問の先生、そして大柄な男性が3人、どことなく和やかな雰囲気で私を待っていたので少々拍子抜け(?)です。
 ほどなく担任が私にその大柄な男性を紹介しました。「こちらは習志野高校の石井先生、お前に話があるそうだ」と。その方はゆっくりと立ち上がり私と握手をすると私の肩に手を置いてこう言いました。(それにしても、デカイ…)
「ピッチャーとしては少し背が足りないが、バッターとして育ててみたいので良かったら習高に来ないか」。数ヶ月前に行われた夏の大会で我が中学は優勝したのですが、監督はその試合を見に来ていたそうです。私は一応、ピッチャーで4番だったのでそう言ったのだと思います。
 本当にビックリして、最初は状況がよく掴めませんでした。私が習志野に行きたかったのは、この人に野球を教わりたいと思っていたからです。その監督が目の前に立っているではないですか。石井監督と言えば、自らも習高の投手として甲子園で全国優勝を果たし、監督としても母校を率いて甲子園を制覇した高校野球界では有名な人です。
 そのときの私の心境は、あの元オリックスのパンチ佐藤選手がドラフト指名の時、故仰木監督から直接かかってきた電話口で返答した名言そのものでした。
「これから両親や周りの人と相談します。しかし、私の心は一つです!」
 一礼をして生活指導室のドアを出た私はとても興奮していたのを今でもよく覚えています。そして心の中で一言呟きました。
「窓ガラス…、セーフ」

 やがて春になり高校受験の日、私はもちろん習高にいました。ある程度、試験も手応えがあったので、心はすでにこれから始まる“夢の甲子園”へと向かっていました。
 入学試験後、校内で偶然、監督に会いました。私を見た監督は「おう、来たか」と昨年、中学校で会った時と同じそれは優しい笑顔で声を掛けてくれました。この人のもとで野球が出来る喜びと期待感に胸がいっぱいでした。
 しかしそれから約一ヶ月後、グラウンドで起こる惨劇(?)を私はまだ知る由もありませんでした。仙人のようだった監督の顔はガラリと変わり、まるで閻魔大王のような顔がそこにはありました。

To be continued…
 2006.7.1  S.Ishioka wrote
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