仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。
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J's diary(院長日記)
院長日記。不定期に
更新しています。
スタッフからコラム(不定期)
Field of dreams〜院長日記番外編〜
石岡院長の高校時代の野球の物語です。
番外編として新登場!!
EP-11 (2007/1/25)
 高校受験に始まり野球部に入部、今まで経験したことのないような厳しい練習と独特の雰囲気、まさに野球漬けだった激動の一年も年の瀬が近づいてきました。
 学校生活はというと…こういう言い方は変ですが、勉強をしに行っているというより野球をしに行っているという感じでした。とにかく授業はなるべく遅れないよう必死に食らい付いているといった状況でしたね。
 年末のある日、自分のロッカーを何気なく空けてビックリしたことがあります。入学時にもらったそれは新品も新品、キレイに熟成(?)された教科書が何冊かあることに気付きました。ページをめくるとあの新しい本の独特の香りが…下手をすると紙で手を切ってしまいそうです。(笑)
 まだ授業では使用していない物だったとはいえ、一度として家に持って帰るどころかページすらめくっていない教科書があったとは…

 学期末テストの前はというとそれはもう大変&悲惨でした。(笑)
 一応テストの前日は練習も普段より1〜2時間早めに終わるのですが、そんなのはもう“焼け石に水”です。何せ積み上げてきたものがないので、家に帰ってテスト勉強をしようにも一体どこから手を付けて良いのやら…もう完全にパニックです。中学までは自分で云うのも変ですがそこそこ勉強は出来ていた方だと思うし、実際クラスでも3番以内だったのになぁ…

 しかし、中にはまるで漫画の世界の主人公みたいな奴もいるのです。同じクラスのK.A君は野球部でありながら何故か?(何故かと言ってはいけませんね)勉強も良く出来る人でした。みんな「お前みたいなのがいるから俺らは言い訳も出来ないんだよ!」とか冗談半分にかなり勝手な事を言っていました。でもああいう人は本当に凄いと思いましたね。
 それでもそんな彼にはほど遠い連中がほとんどです。テスト当日の朝は、普段1時間目の授業が始まるチャイムが鳴っている最中にドタドタと飛び込んでくる野球部の連中も、この日ばかりは妙に早く教室に来ていたりして…何となくバツが悪くてみんな苦笑いです。

 ある日の数学テストの主要項目は完全に理解不能で野球部の連中には全滅の予感が漂っていました。いつも通り朝早く教室に集まった奴らはどいつもこいつも、そして私も何か善からぬ事を考えている雰囲気が充満していました。
 どうしても覚えられない公式を机の上にちょこっと鉛筆で書いたり、仲間うちでS.O.Sを出すサインなんかも決めたりしました。(悪いことですよ!絶対いけません!)

 しばらくして試験官の先生が教室に入って来たのですが、我々が最も恐れていた最悪の事態が的中しました。試験官は、な、なんと監督です!監督は一応(?)地理を教えている我が校の教員でした。
 我々は間違いなく全員心の中でこう思ったと思います。「うぁあ!最悪!」野球部の連中はもう完全に焦って浮き足立っていました。そしてついに監督がトドメの一言を…。
 「人のを見るなよ!特に野球部、わかってるな!」
 私達はもう必死でバレないように机の上に書いた文字を手のひらで消して、借りてきた猫のようにおとなしくなってしまいました。
 結果は予想どおり悲惨なものでした。まるでそれは「50点満点?」、中には「10点満点ですか?」というような奴までいましたね。(笑)

 一年を振り返ってみると、とても中身の濃い年でした。春に念願の習校野球部に入った喜びも束の間、毎日必死に練習し、付いていくのが精一杯の時期もありました。夏には3年生の敗戦を目の当たりにした悔しさと切なさ、秋はメンバーに選ばれたり、デビュー初打席でヒットを打ったり…しかし大会では敗戦し、悔しさと屈辱感を味わいました。
 まさに「喜怒哀楽」「一喜一憂」という言葉が相応しい一年が終わりました。

 一年の中で休みは数えるほどしかありませんが、唯一大晦日から正月三ヶ日はまとまった休みの取れる期間です。
 この年の大晦日は昼間、本当に久しぶりに家にいました。というか夕方くらいまで寝ていたように記憶しています。午後4時くらいに起きたのですが、この時期は日が暮れるのも早いせいか一瞬、目が覚めたとき明け方4時か16時か分からなかったくらいですから…母も私が死んじゃったんじゃないかと思ったのではないでしょうか。(笑)

 休みの間は母も私の身体を気遣っているのか?いないのか?よく分からないのですが、凄い量の食事を出してくれます。
 それはとても嬉しいのですが、あんまり食べ過ぎて太ると休み明けの練習がキツいんだよなぁ…などと思いつつ、残すのは悪いので期待に応えてガッツリと食べました。
 その分、たくさん動かないとね。なんか結局いつもと変わらないような…

 正月休みには野球部から二つ宿題が出ます。一つは休み中の毎日のランニングと素振りを欠かさない事、二つ目は普段の練習で糸が切れてボロボロになった硬球を一人20個縫う作業です。
 入学当初に上級生から教わり、当時いつもやっていたせいか硬球の糸を縫うのは職人並みの腕前でした。2本の針と糸を使ってちょうど“入”という字を作るように108つの縫い目を合わせます。慣れてくると1個をわずか10分ほどで終わらせます。大晦日の夜も縫っていましたが除夜の鐘も108つ、煩悩の数ですね。何か関係があるのでしょうか?

 元旦の朝は早起きをして、バット片手にランニングがてら近所の川に初日の出を拝みに行きました。夜明け前の河川敷にはすでに多くの人が来ていましたが、私のそのスタイルは完全に浮いていました。

 そういえばこの河川敷にある野球のグラウンド…私が小学校4年生の時にこちらに引っ越して来てからは、地元の少年野球チームでほぼ毎日のように練習をしていた場所です。
 当時はとても広く感じたグラウンドも今なら軽くホームランが打てそうです。
 「久しぶりだなぁ、中学生の頃はほとんど来たことがなかったなぁ。」なんて…。そんな事を考えながら、思えばこんな生活もここから始まったんだ…と妙に懐かしく感じました。
 あの時は好きな野球選手の真似をしたり、マンガの主人公が投げる“魔球”を一生懸命練習したり…純粋に野球を楽しんでいた気がします。
 高校生になった今も好きな野球を思いっきりやっているという気持ちは確かにあるのですが、何となくあの頃の感情とは少し違う気がしてしまいました。それは多分、毎日の競争の中でレギュラーを取ることに躍起したり、勝つことのために没頭する日々が“野球を楽しむ”という根っこの部分を希薄にしていたのかも知れません。甲子園に行くためには負けてはいけないし、勝負だから勝つことが大事…そんな想いが、いつしかきっと心に余裕を持てなくしていたのだと思います。

 夜、暗くなるまで時間を忘れてボールを追いかけていたあの頃のように…。
 今年は好きな野球を心から楽しんで、そして甲子園に行こう!そんなことを初日の出に誓うのでした。(笑)

To be continued…
 2007.1.25 S.Ishioka wrote
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