仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。
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J's diary(院長日記)
院長日記。不定期に
更新しています。
スタッフからコラム(不定期)
Field of dreams〜院長日記番外編〜
石岡院長の高校時代の野球の物語です。
番外編として新登場!!
EP-14 (2007/3/20)
 体力作りや基礎の反復という単調な練習が中心の長く厳しいオフもようやく終わりに近づいてきました。
 これからは徐々に実戦を想定したバットやボールを使う練習が多くなってきます。基礎や強い身体が重要なことは十分理解していても、やはり広いグラウンドで思いっきり動いた方が気持ち良いものです。
 前号に書いた事件以来、長らく実践的な練習から遠ざかっていた私も少しずつバッティング練習やシートノックに参加するようになっていました。あんな事があったからという訳ではないのですが、前にも増してこの一ヶ月くらいは全体練習終了後も毎日遅くまで自主トレをしていました。あんな悔しい毎日はもう沢山とばかりに、いま思い返してもまるで何かに取り憑かれているかのようでしたね。
 久しぶりにバッティングゲージでピッチャーやマシンが投げる球を打った時は、気分が良いのと同時にちょっと感慨にふけってしまいました…。

 また、この時のフリーバッティングで自分の打った打球が明らかに今までと違うことにとても驚きました。オフの練習は本当に地味で苦しい練習です。しかし、これが一冬を越すと身体は確実にパワーアップしていることを実感するのです。
 生きた球は久々だったので慎重にミートを心掛け、意識としては60〜70%くらいのスイングで打ち始めたのですが打球は強く、飛距離も出ます。

 そもそもスポーツではどの競技にも共通して言えることですが、パワーの出し入れ、動作のメリハリがとても大切です。野球でも打者は「強振する」とか「フルスイングする」と言いますが、バットを構えた時から振り終わるまで力一杯グリップを握り力任せに振っても実際スイングのスピードは上がりません。いわゆるヘッドが走らないという状態です。
 他にもゴルフやテニスのスイング、釣りなどの竿の動きもそうですね。グリップ時はやや緩めに握り、インパクトやリリースの瞬間だけ力を込め、しなりを利用して“ピュッ”と先端を走らすと効率よくパワーが伝わりヘッドスピードが上がる訳です。
 おそらくこの時の自分も頭で理解したのではなく、自己の基本的な体力がベースアップした上に、偶々うまく力が抜けていたことで気付くことが出来たのだと思います。

 この時期、2月の終わりから3月にかけては春季予選を間近にひかえ、日曜日はほぼ毎週練習試合が組まれるようになってきます。
 この頃には私も再びメンバー入りしていて、時々3番や5番を打つこともありましたが大抵は7番レフトでゲームに出ていました。
 ある日曜日、この日は千葉県の佐倉市にある「岩名球場」というところに県内の2校を招き、うちを交えてトリプルヘッター(3校が総当たりで試合をします)を行いました。
 この岩名球場は小高い山の上にあり、当時我々はあの佐倉が生んだスーパースター、ご存知ミスターこと「長嶋茂雄さんを記念して作られた」という話を聞かされました。(ほんとかどうかは分かりませんが…)
 現在は運動公園となっていて、野球場のほか一通りの施設、スポーツ資料館も併設されています。さらにあの女子マラソン高橋尚子選手、先日引退した有森裕子選手の所属した某アスリートクラブの活動拠点となっているようです。

 朝早く、野球部の専用バスで球場入りした我々は一試合目と三試合目です。遠征に帯同しないメンバー以外の部員はグラウンドに残り、他校との練習試合を組んでいました。
 私は二試合とも先発フル出場し、個人的な成績も満足、チームも連勝、ゲーム内容もまずまず納得いくものでした。
 本大会は別としても練習試合での監督は、結果よりも内容をとても重視します。例えば結果は大差の勝利でも、得点をしたすぐ後に失点をしたり、大量得点でもエラー連発などで大量失点だったりする大味な試合は監督も一番嫌いました。
 遠征での試合内容が悪くて激怒した時などは「お前ら今からグラウンドに帰ってすぐ練習だ!」ということも“しょっちゅう”でした。県外などへの遠征で、これからグラウンドに帰るともの凄く時間が遅くなるとしてもお構いなしでしたね。

 三試合目が終了したのは午後の3時半くらいでした。
 「今日のゲームなら監督もさすがに文句はないだろう」、「もしかしたら今日はこれで終わりか?」なんて雰囲気が皆にも漂い始めていました。他校の監督さんと挨拶を終えた監督がこちらに向かって歩いてきました。その顔はどことなく上機嫌そうで、微かに微笑んでいるようにも見えました。これは期待が高まります。
 一通り試合後のミーティングを終え、監督は我々に向かってこう言いました。
 「よし!じゃあ先にバスでグラウンドに帰っているからお前らは走って帰れ!荷物は積んでいくから。」

 「はぁ?」それは一瞬、耳を疑うような言葉、部員誰もが目もテンです。
 「その代わり一度も止まらずに走って来たらご褒美があるぞ。」事も無げに、しかもその顔はどことなくちょっと楽しそうでした。(怒・怒・怒・プチッ!)
 ちょっ、ちょっと待って下さいな…。同じ県内とは云っても佐倉市から習校グラウンドまでは、メチャクチャ遠いですよ。しかもここは山の上、実際来るときのバスもちょっとした旅でしたから…。直線距離にしても軽く20km以上、実際走ったらどのくらいあるのか検討もつきません。
 「マジかよ…。」「絶対ムリ!」みんなブツブツ言っています。そんな我々を後目に監督の車は“ブォー”と行ってしまいました。

 そこからの道のりはまさに地獄でした。2ゲームもした後の身体は鉛のように重く、走っても走っても進んでいる感じがしません。喉もカラカラで「チクショー!小銭くらい隠し持っているべきだった…。」と心底思いました。
 道すがら色々な人が我々を見て「オッー?習校か?なんでこんなとこ走ってんだ?」「負けたんか?頑張れよ〜!」などと好き勝手言っています。心の中で「勝ったって!!」と叫んでいましたが、声に出す気力もありませんでした。(ムダな体力を使いそうで)

 やっとの思いで傾れ込むようにグラウンドに辿り着いた時には、あたりは日もすっかり落ちてドップリと夜でした。先に到着していた監督が出てきて、もう声も出ない我々に向かってこう言いました。
 「おう!頑張ったな!よし、ご褒美があるから一人ずつ並べ!」
 最後の力を振り絞り、整列した我々に監督が手渡したのは…。な、なんとあの“鳩サブレー”一枚ずつでした。「マ…、マジですか?ご褒美ってこれだったのか…。」

 「オウ、遠慮しないで食べろ!」と監督。別に遠慮はしていませんが…。渋々食べ始めた我々に向かって「旨いだろ?(笑)」天然かな?この人は…。
 ずっと走り続けてきて、口の中はもう僅かなツバすら出ないほどカラカラでした。そこにトドメを刺すようなあのサブレーのパサパサ食感は拷問です。
 私は心の中で監督にこう叫んでいました。「く、苦しい…。喉に詰まって死にそうなんですけど。」

To be continued…
 2007/3/20 S.Ishioka wrote
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