仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。
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J's diary(院長日記)
院長日記。不定期に
更新しています。
スタッフからコラム(不定期)
Field of dreams〜院長日記番外編〜
石岡院長の高校時代の野球の物語です。
番外編として新登場!!
EP-15 (2007/5/8)
 暦は春…。間もなく始まる春季大会ブロック予選に向けチームの士気も一層高まり、まさに“本番モード”です。上級生も、そしてもうすぐ2年生になる我々も本大会のベンチ入りメンバーに向けてみな一段と気合い入りまくりで、毎日のアピール合戦と競争が激化していました。練習試合でも監督は適材適所、いろいろな場面や展開によって選手を起用しテストしているようでした。
 そんな監督の様子を毎度ベンチで見ていると、自分はゲームに集中しなくてはならない立場なのに「監督って面白そうだな」なんて、どこか斜め目線から冷静に監督の采配を観察してしまう…、そんな不思議な感覚に陥ることがありました。
 自分の考えや時には直感を頼りに選手を動かし、挙げ句にその采配がズバリと決まったりしたら本当に快感でしょうね。自らプレーをしている時とは違った喜びや感動、充実感がありそうです。

 しかし、監督業というのは面白いとか楽しいことなんて実際は僅かで、大変なことの方がずっと多いのでしょうね。監督の采配で勝つこともありますが当然その逆もある訳で、誰に聞いても勝った印象より負けた時の後悔の方がいつまでも残っているそうです。
 プロ野球の監督を見ていても、たかだか2〜3時間の中で大喜びしたり、イライラしたり、ジッーと考え込んだり…。あんな喜怒哀楽の毎日を日本中移動しながら繰り返すなんて、あの職業はホントに大変だなと思います。端から見ていても「そりゃ身体も壊すな…」と思いますね。

 かつても今も野球に限らず名監督と呼ばれる人物は大勢います。戦略に長けていたり、いつ何時も冷静で決断力や判断力に優れていたり…。そういう人はどこか他の人とは違う部分を持ち合わせているのでしょう。
 また、私の勝手な思い込みかも知れませんが“名将”と呼ばれる人は皆どこか個性的というか、クセのある変わった人(?)が多いような印象があります。
 一種カリスマ的というか、どこか人を惹き付ける魅力があって選手に何となく「この人の言うことなら…」とか「この人に付いていけば」みたいな気持ちに自然とさせてしまうところがあります。近年のプロ野球界で云えば、現・楽天監督の野村さん、元オリックス監督の故仰木さん、北京オリンピック日本代表監督の星野仙一さんなどでしょうか。
 あっ!ミスター(長嶋茂雄さん)もそうなのかな?

 しかし、そんな名監督達も自らがゲームを支配することは出来ません。そうです、当たり前ですが実際プレーをするのは選手だからです。
 どんなに素晴らしい作戦を立てても、たとえそれがベストの策であっても自分が指示した通りに選手が動いてくれなければ意味を成しません。勝った時は選手を褒め、負けた時は選手をかばわなくてはならない辛い役回りもあります。現有戦力をいかに効率よく動かして勝利を得るか…、常に頭をフル回転させ考えています。楽天の野村監督のこんな名言があります。

「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ん〜、深いなぁ…。

 しかし、必ずしもスター選手やホームランバッターばかりが揃ったチームが強い訳でもありません。選手個々が自分の役割を認識し、着実に遂行することが重要です。それが機能すれば5の力が10にも20にもなる…、それがチームであり、団体スポーツの妙味、面白さでもありますね。

 では名監督と呼ばれる人とそうでない人(?)との差は何でしょうか?私の独断と偏見ですが、その決定的な差は“人の心を掌握する、見極める能力”だと思います。名監督はもちろん野球も良く知っているのでしょうが、選手の自尊心をくすぐったり、その気にさせるような立ち振る舞いがとても上手で、実はそこが一番大事なところだということを良く知っている人ではないかと思うのです。

 もともとプロ野球の一軍にいるような選手はみんな一流のプレーヤーです。大勢のアマの中から選ばれた人がプロに入り、そこから更に一軍で活躍するような人はほんの一握りですからその実力差は紙一重です。
 実力はあるのに「本番でその能力を発揮できない」、「もったいない」などと揶揄される選手はよくいますが、要は普段練習で出来ていることが普通にできるかどうかです。
 監督としての経験が豊富なゆえ大勢の選手を見てきて、そういった歯痒い想いも沢山してきているのでしょう。もしかしたら選手がその立場を意気や誇りに感じながら、いかに気持ちよくプレーできるかを求めたら、最後は技術云々よりもメンタルが大事だと考えているのかも知れません。
 そういえば星野仙一さんが以前TVで「グラウンドには幾らでも大金が転がっているのに、今の若い選手はそれを何が何でも掴みとってやろうという意欲がない」というようなことを言っていました。これも気概が足りないという一種のメンタル的な弱さを憂いた言葉なのかも知れませんね。

 スポーツの世界も近年は“メントレ”などと云う言葉が一般的になって来ているようです。メンタルトレーニングを今風に略しているのでしょうか?最初に聞いたときは一瞬、某人気アイドルグループ「T」のバラエティ番組かと思いました。(笑)恥ずかしい…。
 いかに人間が持つ潜在的な能力を引き出し、成果に繋げるかという心のトレーニングが注目されていて、ある文献によるとこれは単純な精神論ではなく完全に科学だとも言っています。時代なのでしょうか、小中学生の子供達が通う学習塾でも授業とは別に“メントレ”を取り入れているところも多いのだとか…。今後増々この分野は発展していきそうです。

 いつもながらかなり話が逸れて長くなってしまいました。
 しかし、こう考えるとうちの監督はどういうタイプの監督だったんだろう?あまり人をおだてるというタイプではなかったし、お世辞にもフレンドリーとは言い難いし…。
 しいていえばあえて厳しく接することで選手の反発心や反骨心を煽り、毎日の練習に耐えた現実を自信にして欲しかったのかも知れません。それでも監督にはいつも「お前らはまだまだ物足りない!」とか「なにくそ!」という気持ちが少ないと言われ続けていました。それが我々を鼓舞する監督のスタイルといえばそれまでですが、今の時代ではなかなか難しいのかも知れませんね。

 春のブロック予選を間近に控えた4月の始め、我が部にも新一年生が大勢入部してきました。それでも今年はやや少なめ、40〜50人くらいでしょうか。ついに私も上級生、かわいい(?)後輩が出来ました。(笑)
 入学式を終えた新一年生が父兄とともに、ちょうど一年前の私達と同じようにグラウンドに集合してきました。我々新2・3年生も集められそこで全員初顔合わせをしました。
 新一年生のその顔はみな緊張しながらも、夢の甲子園へ向けてここから始まる毎日に期待を膨らませているようで、私もこの日を思い出しとても懐かしい気持ちになりました。

 OB会長のお決まり(?)の訓示が終わり、続いて監督が話し始めました。その顔は力強さの中、どこか優しく穏やかです。細かく覚えていませんが、確か「ここにいる2・3年生と力を合わせて甲子園に行こうじゃないか!頑張ろう!」的な内容だったと思います。そんな言葉を監督から聞いてしまったら、もう新一年生は皆、感動で目がキラキラウルウルですよ。(それは大袈裟か…)
 でもその話しをどこか冷やかに、そして複雑に聞いている私…いや、おそらくその場にいた他の2・3年生もきっと同じように心の中でこう叫んでいたと思います。

「ダメだぞー!その顔に騙されるなー!」

To be continued…
 2007/5/8 S.Ishioka wrote
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