仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。
仁鍼灸治療院・ホーム
HOME お知らせ&院内データ 治療案内 家庭でできるツボケア 料金 Q&A 美容鍼灸
ストレッチ&エクササイズ スタッフ J's Diary リンク JIN PHOTO GALLERY サイトマップ
HOME >> スタッフコラム >> EP-25 (2008/1/26)
J's diary(院長日記)
院長日記。不定期に
更新しています。
スタッフからコラム(不定期)
Field of dreams〜院長日記番外編〜
石岡院長の高校時代の野球の物語です。
番外編として新登場!!
EP-25 (2008/1/26)


 春から夏にかけては、県外強豪校との強化試合(練習試合)が毎週のように組まれます。県内の有力校とは予選本番で当たる可能性があるので、お互い手の内を見せないためにほとんど試合をすることがありません。
 その代わりに関東近郊の実力校と数多く試合を行うのです。特に夏の県予選を間近に控えたこの時期に、実力の拮抗した相手とより実戦に近い感覚で試合をすることは様々なメリットがあります。投手の継投や打順といった戦術面のテスト、サインプレーの確認などチームの仕上がり具合をチェックするのです。

 県外の高校と試合をすると、いつもそこには相手校との不思議な連帯感というか、奇妙な友情(?)が生まれ、私にとってそれは大好きな場面でもありました。
 おかれている環境や当面の戦う相手が違っても、甲子園に憧れる想いはみな同じ一高校球児です。試合直後や帰る間際には「今度は甲子園で会おうな!」とか「県予選では絶対に負けるなよ!」みたいに声を掛け合ったりするのです。
 まぁそうですね。相手が同じ県内ならとてもそんなことは言えませんが、いくら強くても予選で当たることはまずないのですから…。

 そんな感じで今回の練習試合の相手は東東京の実力校、K一校です。その日はこちらが遠征をしてダブルヘッターを行う予定になっていました。朝早く習校グラウンドに集合し、メンバーは遠征用のマイクロバスに乗ってK一高の専用グラウンドに向かいました。
 K一高は東東京ですが、専用グラウンドは千葉県の鎌ケ谷という場所にあります。目的地に向かうバスの道中、私は心の中で「鎌ヶ谷なら習校まで行かなくても実家から直接行ったほうが近いのになぁ…。」などとブツブツ呟いていました。

 しばらくして遠征バスがK一高の野球部専用グラウンドに到着しました。
 「アー!やっと着いた…。」そう言いながらかどうか定かではありませんが、バスを降りた我々の目に飛び込んできたのはビックリするような光景でした。
 両翼90m以上のグラウンドにはラバーのフェンスに照明灯、整備されたフィールドの外野部分は天然芝、そのほかスコアボード(センターの後方にある得点やメンバーを表示するあれですね)に観客席、立派なベンチ、ブルペン(投手が投球練習をする所)まであり、さながらそれはグラウンドというより球場でした。
 そして球場のすぐ隣りには専用の雨天練習場(これがまたメチャクチャにデカイ)、隙間から覗くと中にはピッチングマシンがズラリと並んでいました。
 さらに野球部員は全寮制なのでしょうか…?敷地内に立派な合宿所があって、一階の調理場には専用のシェフ(コックさん?)がいました。当時私が興奮気味にこのシェフの話を野球部以外の連中にすると、みな「それはないだろう(笑)」と信じてもらえなかったのですが、本当です!私は間違いなくこの目であの白くて長い帽子を被り、調理服を着たシェフが食事を作っているのをみたのですから!別にこんなにエキサイトして話さなくても良いですね…。
 とにかくそれはもう“プロの球団か?”というくらいの凄い設備と環境でした。うちの高校も恵まれていると思っていましたが、とても比較になりません。さすが私立といった感じです。

 この代のK一高は実力的にも前評判が高く、東東京大会でも優勝の最有力候補でした。強力打線に加え、エースのKさん(Kばかりでややこしい)は小柄ながら(確か150pくらいだったような…)サイドスローから切れのある球を投げる好投手でした。事実この年の夏、K一高は見事、東東京大会を制し甲子園でもベスト8まで勝ち進みましたが、K投手もかなり話題になりました。
 さらに当時の監督さんは現在同じ東東京の強豪、甲子園でも優勝経験のあるN大三校を率いる高校野球界でも有名なO監督でした。

 試合は二試合を行い一勝一敗でした。特に一試合目はこちらのエースも絶好調でK投手と堂々渡り合い、僅差ながら勝利をおさめました。私もなぜかK投手にはバッチリとタイミングが合い、勝利打点を含む3安打で勝利に貢献しました。
 試合後、相手のO監督がこちらのベンチに挨拶に来ました。そして、多分に社交辞令的なところもあると思いますがうちの監督に向かってこう言いました。

 O監督:「監督、今日は有難うございました。今年の習志野は強いですね。習校よりも強いところ、千葉にいるんですか?」
 うちの監督:「いやぁ、こいつらは全然ダメだよ。ヘタクソで。」(相変わらずだ…。)

 そんな会話を監督同士が交わした後、帰り際に突然O監督が私のところに来て私の肩を叩きながらこう言いました。
 「ナイスバッティング、しっかり練習して予選頑張って!」かなり嬉しかったです。
 K一高と互角以上に戦えたことはとても自信になりました。あとはこれに気を緩めず、突き進むのみです!



 昨年、「本当に世間は狭いなぁ…。」と感じる出来事がありました。
 当院に来院されている患者さんの誘いでその方とゴルフをご一緒させていただいた時のことです。
 他のメンバーには知人を連れてくるということでしたが患者さん曰く、その方は高校時代、甲子園に出場したというのです。もちろん私は全くの初対面だと思っていました。
 当日の朝、紹介された時に「どこかで会ったことがあるような…」とは思ったのですが、名前を言われて確信しました。その方は前述した当時のK一高の中心選手、センターを守りキャプテンでもあったTさんでした。歳は私の一つ上です。甲子園での活躍もTVで観ていたので鮮明に覚えていました。
 Tさんは甲子園大会後、ベストナインに選ばれALL JAPANにも選出されました。当時のJAPANメンバーにはご存知PLの桑田・清原両選手や元横浜の“大魔神”佐々木投手もいて、今でも親交があるそうです。現在はこの葛西のとなり、西葛西駅の近くで仕事をしているそうです。
 高校時代に試合をしたこと、お互いの野球部の話などでその日はゴルフ以外も相当に盛り上がりました。当時に比べるとTさんはちょっと…、いやかなり恰幅が良くなって体つきに関しては殆ど面影がありませんでしたが…。(笑)

 スポーツというのは本当に不思議で素敵です。ある時期、真摯にそして真剣にスポーツに打ち込んだ人とは何故か“馬が合う”のです。
 Tさんとは一生のほとんどを接点なく過ごしてきた間柄なのに、ひとたび甲子園や野球部の話題になるといつまでも話していられました。それはきっと生い立ちや学校が違っていても、ただ一つの同じ目標に向かって精一杯打ち込んだという一種“同志”みたいな感覚をお互いに覚えたからだと思います。

 もちろんそれはスポーツでなくても構いません。音楽でも勉強でも、芸術でもダンスでも…。何か一つのことに心から夢中になれるというのは素晴らしいことですね。その頑張りは喜びや忍耐、思いやりや自信となって人の五感を刺激し、しいては協調性や継続性といった将来的な“自己形成”に良い意味の影響を与えるものになるはずです。

 私の場合、それは結果的に野球だったのではないでしょうか。


To be continued…
 2008/1/26 S.Ishioka wrote
ホーム | お知らせ&院内データ | 治療案内 | 家庭でできるツボケア | 料金 | ストレッチ&エクササイズ | 美容鍼灸 | スタッフ | Q&A | J's Diary | リンク
JIN PHOTO GALLERY | サイトマップ
(C) Copyright 2005 Jin Shinkyu Treatment academy. All right reserved.