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仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。 |
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HOME >> スタッフコラム >> EP-5 (2006/8/11) |
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院長日記。不定期に
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スタッフからコラム(不定期) |
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石岡院長の高校時代の野球の物語です。
番外編として新登場!!
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EP-5 (2006/8/11) |
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甲子園出場をかけた夏の地区予選が近づいてきました。ベンチ入りメンバーもほぼ確定し、いよいよ戦闘モードです。この時期になると、どことなくチームも良い意味での開き直りというか、緊張感の中でどこかそれを楽しんでいるような不思議なムードがあります。
私は初めて体感するこの独特の雰囲気にベンチ入りしていないにも関わらず、妙な高ぶりを感じていました。
ベンチ入りしなかった1、2年生は夏の大会中、スタンドで行う応援団という大事な仕事があります。練習の合間に毎日1〜2時間、野球部の応援歌や型(?)を叩き込まれます。その中で今でも強く印象に残っている習志野伝統の応援歌がありました。その年の秋からメンバー入りすることが出来た私も、3年最後の夏まで毎回打席でこの演奏を聞くことになります。
♪♪♪習志野〜!♪♪♪習志野〜!な!ら!し!の!(伝わらない…)
実は歌の題名を知らないのですが、習校野球部出身の人はみな“ピン”とくる筈です。とても勇ましく、そして誇らしく、身体の奥底からパワーが漲ってくるような感覚があって私はこの応援歌が大好きでした。習校は吹奏楽部(ブラバン)も全国的に有名です。野球部の大会中の応援はブラバンが入るのですが、私が3年生の時、同じクラスに吹奏楽部の部長がいました。彼にはよく「俺が打席に入ったらあの歌を演奏して!」とお願いしていました。
我々応援団も大会中はもちろんのこと、それは必死にチームを応援します。まず第一に“甲子園へ!”というのは当たり前なのですが、その他にこんな不埒な理由があるのです。
チームが負けてしまうと、早速その翌日から新チームが結成されます。夏休み中の練習は猛暑の中ほぼ一日中ですし、合宿もあります。毎日一人二人と部員は減っていき、稀に救急車なんかが来てしまうこともあったりして…それはもう地獄の日々です。
チームが勝ち続けていれば練習もメンバー中心のメニューですから、まだ身体も多少楽な訳です。なるべく長く勝ち進み、少しでも夏休みを短くして欲しい!という思惑があるのです。
夏休みといえば、1年生には一つ恒例の決まり事がありました。髪の毛を全剃り、スキンヘッドにすることです。最初、上級生にそれを言われた時は「マジですか?冗談でしょ…」と思いましたが、とても口に出しては言えません。しかし、それがどうやら本気らしい…
でもすぐに「まぁいいか、夏休みだから学校にも行かないし家にいるとき以外はほとんど学帽か野球帽を被っている訳だから」と割り切りました。というか腹を決めたという方が正しいでしょうか…
家に帰り、バリカンの一番短い刃で頭を丸め(いきなり長めの坊主頭ではカミソリが引っかかるので)そしてついにシェービングです(笑)父に風呂場で剃ってもらいました。
いま思えば馬鹿みたいなことですが、あの時は「へぇ〜、髪の毛って剃ると肌色じゃなくてその形で青くなっているんだ」(そう、まさに一休さんです)とか、「もしこのまま毛が生えてこなかったらどうしよう」などと真面目に考えました。そして鏡に映った自分の頭を見て本気で笑いました。
しかし、便利なこと(?)もあります。まずシャンプーを使わなくても石鹸で身体を洗う勢いそのまま一気に頭まで洗えること(髪があれば坊主頭でもちゃんとシャンプーとリンスはするのです)、当然の如く寝癖がないので朝がラク、仲間数人と道を歩いていると人がよける!(笑)正直言って、パンチパーマ数人よりスキンヘッド数人が集団で歩いている方が怖いみたいです…たいした利点でもないですね。
この他にも1年生には入部と同時に上級生から指導される“掟”というかルールが沢山ありました。服装や態度、話し方、持ち物、心構えetc…グラウンド内外にわたりそれは様々です。ある程度の上下関係と云うか、決め事は必要だと思いますが、正直今となっては「何じゃそりゃ?」というものも幾つかありましたが…
また一人ひとりに仕事の担当も決められます。バットやボール、その他の道具類を管理する係、グラウンドや室内練習場を管理する係などです。その中で私は通称“高砂”という係りでした。
高砂とは京成電鉄、高砂駅のことです。習校のあった京成実籾駅から東京方面に(上り)一番遠く帰宅する1年生にこの係りは割り当てられます。
当時、高砂駅から徒歩10分くらいのところに小さな(失礼な…)個人のスポーツ店がありました。そこのかなりご高齢なご主人は野球部が代々、道具の修理をお願いしている、いわば修理の名人でした。グラブの紐や皮が切れた、スパイクが裂けた、金具が取れた…その他もう何でもOKです。その技術はもう神業としか言いようのないくらいの腕前でした。高砂は修理代と電車賃をもらってチームや個人の修理品を持ち込み、引き取ってくることが仕事で1年の間に相当の回数を通いました。
前高砂の担当だった2年生から1年生に引き継ぐ日にも、代々決まり事がありました。ご主人に2人で挨拶に行くと同時に、駅前の立ち食いそば屋で2年生が1年生にそばを奢るというものです。私も前担当のFさんから天ぷらそばをご馳走してもらいました。もちろん私が2年生になった時には新高砂担当の1年生にご馳走しました。
私が1年生時、夏の予選で我が校はベスト16まで駒を進めましたが、甲子園へは手が届きませんでした。しかしながら、地方予選を勝ち抜いて憧れの甲子園への切符を手に入れることは本当に大変です。今年の千葉県予選は180校、私の時もやはり同じくらいでした。仮にノーシードからだと7〜8回は勝たなければなりません。甲子園で優勝しようものなら地区予選から12〜13連勝くらいしなくてはならないことになります。トーナメントですからもちろん一度負ければ終わり…プロ野球が少しぬるく(?)見えてしまいます。
甲子園と云う所は、そこを本気で目指している高校球児にしかたぶんきっと分からない、単なる“魅力”という言葉では片付けられない特別な場所です。少なくても私はそう思っています。だから、あの場所に行きたいという想いだけでどんなに苦しい練習にも耐えることが出来たような気がします。
ですから3年生の最後の夏が終わった時、初めて見るあの目標が潰えた時の光景は今も忘れられません。その何とも云えない空虚感、出来ることなら現実を逃避したいような感覚…あのいつもふざけていたIさん、そしていつも自信に満ち溢れていたキャプテンのNさん、それぞれの夏が終わりました。
いよいよ今年も8月6日から“夏の甲子園”第88回全国高校野球選手権が始まりました。各地方大会を見事勝ち抜いた49の代表校が頂点を目指して熱い戦いを繰り広げています。
我が母校も今夏、地方予選のベスト4まで勝ち進みましたが、残念ながら準決勝で千葉県代表となった千葉経大付高に延長戦の末(1-2)、涙をのみました。私も今回、予定が合わず球場まで応援に行けなかったのですが、連日インターネットやTVでチェックしながら熱い“念”を送っていましたが…。しかし、今年の習校はとてもバランスの取れた良いチームでその戦いぶりは見事、随所に“習校野球”の真髄を見せてくれました。
あともう少し…というところで甲子園に届かなかった彼らには、どんな言葉も慰めにはならないと思います。しかし、あえて敗れた彼らに私がいま話せることは、流した3年間の血と汗と涙は決して無駄ではないと云うことです。真摯に心から一つの目標に打ち込めることがあったなんてそれはとても素敵なことではないですか。そういう経験は今まで生きて来た18年間より、もっともっと長く続くこれからの人生の中で必ず大きな財産になるのです。経験者が云うのですから間違いなしです!(笑)
厳しい練習に耐え、念願の甲子園出場を果たした高校球児のみなさん、本当におめでとうございます。努力と強い想いが報われた結果ですね。甲子園に立っているという誇りを胸に、悔いなくそして精一杯戦って欲しいと思います。
君たちは全国の高校球児が憧れる夢の舞台に間違いなく立っているのですから…
To be continued… |
2006.8.11 S.Ishioka wrote |
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