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仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。 |
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HOME >> J's diary(院長日記) >> vol.11(2006/9/7) |
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スタッフからコラム(不定期) |
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〜院長日記番外編〜 |
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石岡院長の日記です。不定期にUPしてまいります。 |
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vol.11(2006/9/7) |
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2006年8月21日、第88回全国高校野球選手権大会が興奮の中で幕を閉じました。皆さんご存知の通り、決勝戦は引き分け再試合という近年稀に見る大激闘の末、西東京代表の早稲田実業が全国4112校の頂点に立ち、見事夏の甲子園初優勝を飾りました。
早実のエース斎藤君と駒大苫小牧のエース田中君の行き詰まる投げ合いに釘付けとなった方も多いのではないでしょうか。
それにしても今大会は接戦あり、大逆転ありのなかなかエキサイティングなゲームが多かったですね。高校球児達のひた向きさを通して、今更ながら野球と云うスポーツの奥深さと面白さを再認識し、改めて“野球はいいなぁ…”と感じてしまいました。
以前は高校野球も気候や環境などによる練習量の関係で、北のチーム(北海道や東北地方)は不利とされていた時代もありました。しかし今大会惜しくも決勝戦で敗れましたが、夏の甲子園3連覇を目指した駒大苫小牧に代表されるように、現在はその格差もあまり感じられなくなってきたようです。(北海道といえば日本ハムも今年は元気ですね)
各々の高校が伝統や特徴・スタイルを前面に出し、それによって有望な選手が各地域に分散する(地元の選手が少ない等の問題点もあるようですが…)そういった型が結果的に野球人口の裾野を拡げていくのでしょうからとても良い傾向ではないでしょうか。
それにしても世間は“ハンカチ王子“こと早実、斎藤君と、”北の怪物“駒大苫小牧、田中君の話題で持ち切りですね。今や時の人なのでそのフィーバーぶりもある程度やむを得ないところもありますが、くれぐれも”大人の都合(?)で振り回す事だけはしないで欲しいな…”と勝手に思う今日この頃です(笑)
まぁ、彼らはあの大舞台に自然体で臆することなく能力を発揮できるのですから、間違いなく“自分”というものをしっかりと持っているのでしょう。決して自らの足下を見失うことはないと思いますが…余計なお世話でした。
今回の甲子園大会はTV等でもたびたび話題になっていましたが、本塁打(ホームラン)量産の大会でもありました。一大会の通算記録を更新する60本もの本塁打が生まれ、(ちなみに昨夏は32本)またこちらも新記録の一試合で7本塁打が飛び出す試合もありました。
専門家の間では近代トレーニング技術の進化で、900グラム以上に規定された重たいバットを振り抜ける体力が選手達に備わったとか、ボールの材質が気候等により飛びやすかったなど…様々な要因を挙げています。
このことについて、某プロ野球解説者が一つの見解を話していました。妙に納得したのですが、それは次のようなことです。
現代野球におけるピッチャーの主流、決め球(ウイニングショット)はいわゆる“スライダー系のボール”“落ちるボール”が全盛です。鋭く縦変化するスライダー系のボール、カットボール、フォークボールやスプリットなどです。(確かに日本野球でも西武の松坂投手や中日の川上投手、メジャーでもNYYの守護神M.リベラなど…一流のピッチャー達もカット系のボールを駆使しています)
これは高校生にも例外ではなく、今大会でも多くのピッチャーがスライダー系、カット系の球を多用していたように思います。これらのボールはどちらかと云うとバッターの目線から遠く離れていく軌道です。逆を返せばシュート系(打者の胸元付近に切れ込んでくる、身体に近寄ってくる)の球が少ないために、バッターは思い切ってボールに踏み込んでいけるので、結果、強くバットをスイングすることができホームランも生まれやすいという訳です。
プロでも近年はシュートピッチャーが少なくなりました。これは選手の安全面を考慮してメジャーリーグが取り入れた“ストライクゾーンを外角よりに球一つ分ずらす”という対策の影響も大きいようです。一流投手になれば150kmをゆうに超える速球を投げます。確かにそのスピードであの硬球が身体に当たれば選手生命を脅かすどころか、下手をすれば命に関わる危険性もあります。
しかし、ピッチャーが厳しくインコースを突くことは配球においての生命線でもありますし、それがなければアウトコースの球も活きず、打者を打ち取るのは困難になります。
私は決して“危険な球が必要”と云っている訳ではありません。またインコースを突く球は“ストレートやシュートでなくてはならない”とも思いません。スライダーでもフォークでも良いのです。要は内側を攻める姿勢、内をイメージに残像させるテクニックが重要なのです。言い換えればそういう細かいコントロールを持った投手が近年、少なくなってきているようにも感じるのですが…
こういったところにも「打力優位」の要因があるのかも知れません。
今夏の甲子園、早実優勝の原動力は斎藤投手の存在、ピッチングに尽きると言っても過言ではないでしょう。ではなぜ彼は相手の強力打線を封じ込められたのでしょうか。
私見ですが、彼の投球を見ていて優れていると感じた部分が2つあります。まず1つ目はその正確な制球力(コントロール)です。彼が投げる140km台後半のストレートは大きな武器ですが、ただ速いだけでは抑えられません。今や甲子園に出てくるような高校はどこもマシンなどで速い球への対策は立てているからです。しかし、コーナーにしっかりとコントロールされた球があの球速で決まれば、なかなか高校生のレベルでは打てないと思います。
2つ目は打者にインコースを意識させる投球術(組み立て)と度胸の良さです。彼のウイニングショットはアウトローのストレートだと思うのですが、その球を活かすための配球が絶妙でした。特にストレートを活かすための伏線として投げるインコースのスライダーはとても巧みでした。まさしく“攻める変化球”だったように思います。
今大会で彼の投球スタイルを象徴する印象的なシーン(対戦)を3つ見ました。1つ目は大阪桐蔭戦、あの“清原2世”とも云われる中田選手、2つ目は準決勝鹿児島工戦“代打屋”今吉選手、そして3つ目は再戦した決勝戦、駒大苫小牧田中選手への最後の打席です。
これらの対戦で斎藤投手は全て三振を奪いましたが、いずれも厳しくインコースを突く球を有効に使っていました。
この3人は高校屈指の強打者ですが、ここ一番試合の流れを左右する場面やポイントとなる打者に対しても、彼の投球はとても冷静でした。そして顔に似合わず強気です(笑)。
ともすれば絶好球となるボールも本人は甘いコースに絶対いかない自信があったのでしょう。しかし、真夏の4連投や決勝2試合24イニングを投げても、試合の後半で140km台のストレートがアウトコース低めにコントロールされているのには驚きました。
もちろん“制球力”は野球センスだけで身に付くものではありません。斎藤選手が大変な努力で作り上げた強靭な下半身とスタミナがあればこそです。
こんな話を思い出しました。私の高校野球時代の同期のエースは卒業後、ドラフト指名で当時の福岡ダイエー(現ソフトバンク)に入団しました。残念ながら一軍に上がることは出来ませんでしたが、毎年お正月に地元に帰って来ると必ず会って一緒に食事をしていました。その時に彼はこう言っていました。
“150km以上投げるピッチャーは2軍にもゴロゴロいるんだよ。でも球はどこにいくか解らない。でも1軍に上がるピッチャーは140kmしか投げられなくても狙ったところにしっかり投げれる”と。つくづく“ピッチャーは制球力(コントロール)だな”と思います。
長くなりましたが最後に私の大好きなメジャーリーガーで、現在LAドジャースの投手G.マダックスの話です。40歳となり、やや力の衰えは否めませんがマダックスは間違いなく歴史に名を残すメジャー史上最高の投手の一人です。
マダックスは体格もストレートのスピードも日本人とほぼ変わりません。彼の最大の武器である“サークルチェンジ”“ツーシーム”という球を駆使し、打たせてとるピッチングが信条で、その抜群の制球力と打者の心理を巧みに操る頭脳から「精密機械」、「プロフェッサー」とも呼ばれ称されています。
1988年〜2004年までの17シーズン連続で15勝以上を挙げ、また1992年〜1995年まで4年連続でサイ・ヤング賞(※)も獲得しました。※メジャーでその年にただ一人最も活躍した投手に与えられる。球史に残る大投手サイ・ヤングを讃えて制定された賞。
確かにスピードボールは投手の最大の魅力です。150kmを超える速球は誰もが投げられるものではありませんし、150kmを投げることは間違いなく才能だと思います。一流の投手と打者の“力と力”のぶつかり合いは、まさに野球の醍醐味です。(かつての清原VS伊良部、イチローVS松坂、興奮しました)
しかし、マダックスのそれもまさしくプロフェッショナル、そして芸術です。メジャーという厳しい環境で生き抜いていくために、努力のすえ導き出した究極のスタイルなのでしょう。
斎藤選手や田中選手のこれからの活躍が楽しみです。是非、誰の真似でもなく自分にしかない個性を持った、そして多くの人達に夢を与え続けるスケールの大きなプレーヤーになってくださいね。“野球好きの外野“の勝手な願いです(笑) |
平成18年9月7日 |
仁鍼灸治療院 院長 石岡俊祐 |
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