仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。
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J's diary(院長日記)
スタッフからコラム(不定期)
Field of dreams〜院長日記番外編〜
〜院長日記番外編〜
石岡院長の日記です。不定期にUPしてまいります。
vol.20(2008/3/8)
 平成20年2月24日(日)、江戸川区総合文化センターで開催された「第一回 区民のための東洋医学講座」に出席してきました。
 この講座は私が所属している江戸川区三療師会(えどがわくさんりょうしかい)が企画したもので、多くの区民に“三療(さんりょう)をより深く知ってもらいたい”という趣旨のもとに行われました。今回はその記念すべき第一回目でした。
 ちなみに三療とは「はり」「きゅう」「マッサージ」の三つを指しています。江戸川区三療師会は区内で開業している鍼灸マッサージ師で結成する団体で現在100名余りの会員がいます。その活動は主に江戸川区三療券(区民在住の高齢者に対して江戸川区が発行している三療の助成券)の取扱いや様々な区内行事への参加、学術講習会、啓蒙運動に参加しています。

 今回の講座は二部構成で行われ、演題は次の通りでした。
第一部:演題「からだの声を聞く」
  講師:筑波技術短期大学保健科学部保健学科 鍼灸学専攻教授 形井 秀一先生

第二部:演題「小児はりへの10の質問」
  講師:(社)日本鍼灸師会鍼灸臨床研究会講師指導員 滝上 晴祥先生

 第一部で講演された形井秀一先生は東洋医学の研究活動においてこの業界では著名な方です。また多くの文献も出版されていて、学生のみならず我々臨床鍼灸師も一度はそれらを目にしたことがある筈です。
 今回の講座は「区民のための…」というのが大名目ですから、講演も当然一般の方に解りやすい内容で行われました。“東洋医学そして鍼灸マッサージ治療とは?”“どのような歴史をもつ医学なのか?”といった話が中心です。先生も我々専門家に対しては「復習のつもりで聞いて下さい」と言っていましたが、確かに鍼灸学生時代の初期を思い出すような内容でとても懐かしく感じました。

 ところで皆様も「三里」(さんり)というツボの名前を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?現在、WHO(世界保健機構)が定める人体の経穴(ツボ)は360穴あまりとされていますが、この三里はおそらく一般の方、そして我々鍼灸師を含めて最もよく知られた有名なツボだと思います。
 講演の中ではこの“三里”を引き合いに出した次のような話もされていました。かの有名な松尾芭蕉「奥の細道」(月日は百代の過客にして…というあれです)の序文には、芭蕉が足の三里に灸を据えてから旅に出たという記載があります。

 足の三里は万能的な効果を得られるとても使い勝手のよいツボで、我々も日々の治療でよく使います。分類では胃経という経絡に属し、主に胃腸系の特効穴であり、また足の疲れや冷えなどにも多用するツボです。まさに長期間、長い道のりを歩いて移動する旅人には整腸作用や疲労回復の面からもうってつけなのです。
 もしかしたら当時の旅人達には周知の事実だったのかも知れませんが、少なくとも芭蕉自身はそのことを知っていたのでしょうね。

 講演途中は時折、笑い声も起こったりしながらとても和やかな雰囲気でした。私もすっかりリラックスしながら聞いていたのですが、現代医学における鍼灸治療の位置付け、それに伴う世界的な流れに触れた話にはとても興味深いものがありました。

 近年、日本においても少子高齢化に伴う将来的な医療財源の問題が危惧されていることはご存知の通りです。このような現状において昨今、アメリカやイギリスなどでは鍼灸を中心とした東洋医学への関心が急速に高まってきています。
 アメリカでは全50州都のうち40を超える州都で鍼灸師の資格が整備されてきています。また、イギリスでは大都市を中心として鍼灸の保険医療をテスト的に開始し、これが軌道に乗れば全土に広がるとも言われているそうです。
 これまではとかく“科学的な根拠に欠ける”“実証に乏しい”といった理由が指摘されていましたが、近年はアメリカを中心に種々の研究や科学的なデータの裏付けが進み、徐々にその効果が解明されてきています。

 最近は“未病”(みびょう)という言葉をよく耳にします。(TVのCMなどでもやっていますね)これは東洋医学独自の考え方で、「まだ病気にはなっていないが病気になる一歩手前の状態」を指しています。
 鍼灸治療は現症状に対してももちろん有効ですが、予防治療としても大変良い効果を発揮するのでこれを利用して、病気になる以前にその原因を摘み取ってしまおうという考え方なのです。
 現代医学だけでカバーしきれない疾患は数多くありますし、増大する医療費に対して、また身体に負担が少なく副作用のない治療としても期待されているわけです。
 日本の医療現場でも大学病院や総合病院ではこのような代替医療や補完医療と呼ばれる医療を積極的に取り入れる施設が増えてきているようです。また、通常医療と代替医療の二つを統合した医療は「統合医療」とも呼ばれているようです。

 現代医学は日進月歩です。検査技術や治療機器のめざましい進歩によって早期発見が可能となり、かつては治らなかった病気までも治癒することがあります。
 いつ何時、大病を患うか…。そのリスクはみな平等ですが、自分の身体に対して今以上に関心を持つことは出来ます。誰しも病気などせずにいつまでも健康でいたいと願うのは当然です。早期発見・早期治療はもちろん大事なことですが“病に冒されず健康体でいること”、これが一番重要であることは言うまでもありません。

 医療行為の基本は「より少ない刺激で(患者さんの身体への負担を少なく)最大限の効果を出すこと」です。病状が悪化した状態では必然的に刺激は強いものになってしまいます。
 鍼灸マッサージ治療は少ない刺激で“崩れた身体のバランスを整え、身体を正常な状態に戻す”ことに効果を発揮する「身体に優しい」医学です。
 東洋医学的治療がもっと皆様の生活に密着したものとなり、健康維持や増進に役立てればこれほど嬉しいことはありません。

 〜其の二〜では第二部の講義「小児はりへの10の質問」を聞いた感想をご報告します。
平成20年3月8日
仁鍼灸治療院 院長 石岡俊祐
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