仁鍼灸治療院(江戸川区・葛西)は、はりきゅう・マッサージ・スポーツマッサージ・リラクゼーションの鍼灸治療院です。
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J's diary(院長日記)
スタッフからコラム(不定期)
Field of dreams〜院長日記番外編〜
〜院長日記番外編〜
石岡院長の日記です。不定期にUPしてまいります。
vol.9(2006/5/18)
 以前このJ’s diaryでFormula-1(F1)のことを少し書きましたが、今回はこの話題に触れてみたいと思います。マニアックな、またかなり主観が入った文章になると思いますが何卒お許しください。まぁ良いですね…日記ですから。

 F1好きの私は、もうかれこれ15年以上、全戦欠かさずTV中継を観ています。(ほとんどが生中継ではありませんが…)放映はまず深夜なので翌日の仕事を気にしつつも、レースが始まればそれはもう大興奮です。
 前に友人から「同じ所をグルグル回ってるだけなのに何がおもしろいの?」と言われたことがあります。確かに私も最初はそういう見方をしていたかも知れません。しかし、マシンを1000分の1秒でも早く走らせるために沢山のチームスタッフやメカニックが一つになってレース戦略を練り、また世界トップレベルのドライバー同士が様々なしがらみやライバル心を抱えながら、時には350キロを軽く超えるスピードで凌ぎを削り合う限界ギリギリの戦いは、まさに世界最高峰のレースと呼ぶに相応しいものです。そういう部分を知っていくうちに徐々にレースの見方が変わってきました。
 世界でわずか20数人しかいないF1ドライバーの技術は凄まじいものです。ある記事で読んだ事があるのですが、F1ドライバーは車幅(車体の最大横幅)から左右10センチ空間があれば、300キロを超えるスピードでその間をほぼ100%、車をヒットさせることなくすり抜けられるそうです。凄い…

 これだけでもF1の魅力は十分ですが、何より私が虜になった最大の理由は、今は亡きアイルトン・セナの存在です。F1のことはよく知らなくてもセナの名前を知っている人は多いのではないでしょうか。F1好きの方であればご存知だと思いますが、語り草となっている1992年モナコGPでのナイジェル・マンセルと繰り広げた壮絶バトルの興奮は今でも胸に焼きつています。(確かレースの実況はあのフジTVの三宅アナでした)
 しかし、数々の名声と勝利、記録、そして心に残るドラマを生んだ「音速の貴公子」は1994年5月1日サンマリノGP、イモラ・サーキットのタンブレロコーナーで34歳という短くも密度の濃い人生の幕を閉じました。

 私はちょうどその時、沖縄に住む友人を訪ねがてら一人旅をしている最中でした。宿泊先のホテルを予約していなかった私は、とある土地のビジネスホテルでいつものようにTV中継を見ていました。セナが天に召されたあの日の場面は12年経った今でも鮮明に覚えています。事故直後は一瞬何が起きたのかすぐに理解ができませんでした。重たく、表現しし難い空気が画面を通して伝わってくるような感じがして、ただ大変なことが起きたことだけは容易に想像ができました。マシンから降ろされたセナの周囲を数人が取り囲み、レース中にも関わらず現場は騒然としていましたが、セナの傍らにいた一人のマーシャル(コース整備員)が放心した様子で涙を流し、立ちすくんでいた姿が印象に残りました。すぐにヘリコプターが到着し、セナは病院に搬送されましたが、この時、私はまさかそれが最悪の事態になるとは思いもしませんでした。むしろ祈りに近い感情だったのかも知れませんが…

 私の記憶では事故の瞬間、その映像を捉えていたのはセナのすぐ後方を猛追していたM.シューマッハー(以下、シューミと書きます。シューミは彼の愛称です。)の車載カメラだけだったと思います。シューミといえば今も現役で活躍するF1界の皇帝、通算勝利84回(2006年5月14日現在)、ワールドチャンピオン7回のまさに史上最強のドライバーです。
 セナとシューミの間にはこんな逸話があります。幼き日、たまたま父親に連れて来られたカートレース場でシューミは運命的な出会いをします。一人のドライバーのあまりの速さと激しい走りに心を奪われるのですが、その人物は言うまでもなく若き日のセナでした。この日、シューミはレーサーになる決意をし、その時からセナは永遠の憧れであると共に、いつか彼を超えることを夢見たそうです。

 1994年5月1日は、もしかしたらシューミがまさにセナを超えるその日だったのかも知れません。既にドライバーとして円熟期を迎えていたセナに対し、若く、溢れる才能と勢いのあるシューミの力関係は誰の目にも明らかでした。シューミにしてみれば幼い時からの想いがついに叶う…そう感じていたに違いありません。しかし、超えるべき憧れの人は一瞬にして自分の目の前から消えてしまったのです。運命というのは本当に残酷です。シューミの胸にはただ虚脱感だけが残ったであろうことは想像に難くありません。

 セナ亡き後の約10年、F1界を支えて来たのは紛れもなくシューミでした。しかし、シューミにとってそれはセナという永遠に手の届かない存在との終わりのない戦いだったような気がしてなりません。F1の優れたドライバーにはどの時代にも必ずライバルと呼べる存在がいました。セナにはA.プロスト、昨年24歳という若さで史上最年少王者となったF.アロンソにはK.ライコネン(最近はあまり元気がありませんが)というライバルがいます。しかし、シューミは幾ら勝利を重ねても絶えず孤独だったような気がします。
 セナはとてもナイーブで繊細、感情の起伏も激しいところがありました。上手く表現できませんが、そういうどこか人間くさいところが多くの人を魅了したのだと思います。それに比べてシューミは“サイボーグ”という呼び名が付くほど立ち振る舞いやレースぶりまでもが冷静沈着、不敵な感じで実は私はあまり彼が好きではありませんでした。しかし、セナの通算勝利を抜いたレース後の記者会見で、そのシューミが人目もはばからず咽び泣いたのです。セナの背中を追い続け、胸にためていた想いが一気に溢れ出たのではないでしょうか…その日から私は彼がだいぶ好きになりました(笑)

 その完全なまでの絶対王者も昨年、ついに若き才能にその座を明け渡しました。24歳で史上最年少王者の記録を塗り替えたルノーのF.アロンソです。今年、ある意味で進退をかけた戦いをしているシューミと次世代の王者アロンソとの関係は、あの時のセナとシューミがだぶって見えます。
 先に運命は残酷だと書きましたが、時に皮肉なものだと感じることもあります。過去と未来は間違いなく繋がっているものだと思わざるを得ない出来事を今年のF1GP第4戦(4/23)で見ることが出来ました。場所は奇しくもあのセナが逝ったサンマリノGPイモラです。レース中盤からフィニッシュまで数十周にわたりトップを走るシューミの背後からアロンソがテール・トゥ・ノーズ(車体のお尻と鼻先がくっ付かんばかりの状態です)で攻め上げる壮絶なバトルがありました。一瞬のスキや小さなミスも許されない状況でシューミはアロンソを押さえ込んで勝利したのです。その時はもう眠気も吹き飛んで手に汗を握り、ゴールした時はおもわずガッツポーズが出てしまいました。私ならずとも12年前の光景を思い出したF1好きの方も多かったのではないでしょうか。

 2006年シーズンは現在アロンソがポイントリーダーです。マシンの完成度、ルノーの充実度、そして既に風格さえ感じるアロンソの勢いをみると今のところ彼の優位は動かなそうです。しかし、とにかく私は今年M.シューマッハーの逆襲に期待し、心を込めてシューミを応援したいと思います。もしかしたら今シーズンで最後となるかも知れない“赤き皇帝”の走りをこの目に焼き付けながら…頑張れ!シューミ!

 この2人以外にも今年のF1は話題が盛りだくさんです。日本の誇る“巨星”TOYOTAとセナが愛したHONDAもフル参戦し、優勝してもおかしくない位置にいます。そして何より今年から新規フル参戦し、日本人としてF1の表彰台に乗った鈴木亜久里と佐藤琢磨がタッグを組んだオールジャパンチーム、“スーパーアグリF1“(前レースよりドライバーが一人、日本人ではなくなってしまいましたが…)です。まだまだマシンのポテンシャルは他のチームに遠く及びませんが、今後に期待です。

 次戦は私がF1全18戦中、最も好きなモナコGP(5/28)です。世界一有名なGPサーキットであるモナコ…地中海に面した南フランスに位置する小国モナコ公国の市街地を利用した公道サーキットで行われます。このグランプリに勝つことはF1ドライバーの憧れであるとともに最高の栄誉と云われています。特にモナコGPを得意とするドライバーは“モナコ・マイスター”と呼ばれ賞賛されています。ちなみに記録はセナの6勝、シューミは現在5勝です。文字通り2人は、“モナコ・マイスター”ですね。
 私もいつかセナの面影を感じながら生でモナコGPを観たいなぁ…なんて思っています。

 調子に乗って好き勝手想いのたけを書いていたら、いつの間にかもう日記と呼べるシロモノではなくなってしまいました。乱筆乱文ですいません。最後まで読んで下さった方、有難うございます。
 皆さんはどんなことに夢中になったり、小さな幸せを感じたりしますか?そういうものはありますか?観るものだったり、聞くものだったり、はたまた食べることだったり…興味のあることは人それぞれですがどんな些細なことでも、他の人からみればさほど興味のないことでも自分にとって生活の良いアクセントやスパイスになれば、それはとても意味のあることですよね。
 私も自分のアンテナを張り巡らして、これからも沢山のことに興味を持ってトライしていきたいと思います。皆さんから何かお勧めのものがあれば、是非メールででも教えてくださいね。
平成18年5月18日
仁鍼灸治療院 院長 石岡俊祐
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